他人に流されてしまう人の心理や特徴とは一体何なのでしょうか?
外食をする時、何かの注文をする際に他人の注文品と同じ物を頼んでみたり、自分から見たい映画を選ばず、レビューや噂を見てから見に行ったりと、他人に流されてしまう人は大勢います。
今回は、そんな他人に流される人の特徴や心理はどのような物なのか、述べていこうかと思います。
他人に流される人の心理は、「外部統制型」と言える。
心理学用語に、外部統制型・内部統制型、という言葉があります。
教育心理学の概念に”ローカス・オブ・コントロール”という物があり、自分の評価の原因は、どこにあるのかを分別しています。
その分類が、外部統制型・内部統制型の2つなのです。
この2つの言葉を具体的に見ていきます。
外部統制型…
自分の状況は、外部の力によってコントロールされている。という考え方。
内部統制型…
自分の状況は、自分の努力や能力にかかっている。と言う考え方。
この2つです。
他人に流される人は、前者である内部統制型の性質を持っているからこそ、流されていると言えるのです。
ここからは、他人に流される人の特徴を述べていこうかと思います。
自信が無いからブランドものをよく買い漁る
自分に自信が無い人は、ブランド物の威を借りてしまう傾向にありますね。
その結果、第三者から見ればブランド物を良く買うある意味目立った人物に見えて来る訳ですが、人によっては外見と中身がマッチしない、何とも違和感がある人だという雰囲気を察知されてしまうのです。
自分自身に能力が無いとなると、人間、誰しもが不安を覚えます。
そんな中で取りうる対策は何か?、それは何か権威のあるものを身にまとう事でしょう。
ブランド物を身に付ける事で、自分の評価をモノで底上げして、優位に立とうと考えるのです。
悪く行ってしまえば、”張り子の虎”と言えますね。
例えば、隣人の奥さんがブランド物を身に付けているのを見かけたとすると、自分はそれを見てショックを受けます。
「自分の身に付けているモノはこんな安価な安物…相手は凄い煌びやかな物を身に付けている…なんだか自分だけ置いてけぼりにされている気がするわ…。」
と。
こうなった時に、ブランド物の威を借ります。
「どうだ?これ程の製品を身にまとっている私に敵うまい」という、張り合いが起こって来るのです。
主婦どうし、ブランド物のモノの自慢合戦があるなんて話を稀に耳にしますが、根源はここにあるとみて間違いないでしょう。
従って、他人に流される人は特徴的に、ブランド物をよく買い上げようとします。
その業界に対する知識・経験不足が他人に流される傾向を生み出す。
まだ経験の無い、未知な業界に首を突っ込んだとき、しばしば人は困惑し戸惑います。
「ここでは、どうすればいいのか?」
「この時、どう動いたらいいのか?」
「こんな問題が発生した。解決法は?」
と、知識・経験が不足すると様々な問題に直面する訳ですが、当然、それらを解決するすべを持ち合わせていません。
ともなれば、最終的に同業の人間の意見を聞いてなんとか実践しようとするわけですが、上手く行くやり方というのは千差万別。
「Aさんは、○○が良い」と言っているのに、「Bさんは××が良い」と言っている。どちらが真実なのだろう?と、混乱してしまうのです。
こうして、業界に対する知識と経験が不足している人というのは、交錯する様々な情報に溺れてしまいます。
結果、知識と経験が不足している業界では、人は他人に流されやすくなるという事ですね。
自分の力は貧弱で、どんな物事も”外部要因に流される他ない”と信じている。
他人に流される人の心のうちでは、自分に対する自信の無さから、派生した考えである、「自分の力より、外部要因の方が強力だ」という観念があります。
- 誰かが何かを注文したから、自分も同じ物を頼む…
- アマゾンや楽天のレビューを見て、自分も同じ物を頼む…
- テレビで流行だと放映されている物を見て、自分も同じ物を注文する…
こういった行動を取ってしまう理由の1つが、自分に対する無力感なのです。
具体的に見ていきましょう。
例えば、何かの映画を見る時を見てみましょう。
新作の映画は、見る前からどのような面白さであるか解りません。だから、他人が見に行くという話を聞いて自分も便乗して見に行ってしまう訳です。
これをする事で、たとえ映画がつまらなかったとしても、”自己判断ではない”と言う事を理由に自分を正当化できてしまいます。
また、飲み会では、自分から料理を選ぶ事をあまりしません。
先に選んでいった人の注文内容に自分を合わせていくか、さもなければオススメ料理とか、日替わりメニューとか、そういった無難な物を選択してしまいます。
「まずい料理を引いてしまった時のストレスを被りたくない」と内心思っていて、その負担を他人に押し付けたりするために、他人に流されているのです。
纏めると、自分に対する信頼の無さ、自信の無さ、が他人に流される心理の根源である事が見えてきます。
他人に失敗の責任を押し付けてしまう。
また、他人に流される人は、他人に失敗を押し付けてしまう傾向が出る事もあります。
何かの行動・判断を自分で下すのが苦手なので、他人に合わせて行動してしまいます。
ともなれば、その他人の判断がミスであった時、自分の判断もミスと言う事になってしまうのです。
そもそも自分で判断せずに、他人任せであった訳ですから、怒りの矛先は自分では無く他人に向き始めます。
その結果、他人を叱責し始めてしまう訳なのです。
文字に起こすとすごく自分勝手に見えますが、無意識に怒り他人に当たるから厄介です。
自信を持たせることが比較的困難。
他人に流される人は、自己判断が難しい心理状態だとも言えます。
ですから、自信を持たせることが比較的困難だとも表現する事が可能なのです。
他人に流されるからこそ、自分では選択できない。
仮に他人の教えで成功したとしても、それは独力で成功したモノとは別物である訳だから、成功する事で自信を身に付けるには至らなくなるのです。
かくして、いくら成功しても自分1人になった時やはり第一歩を踏み出すことが困難になったりするのです。
結局は自信を持たせるためには、他人に流されてしまい自己判断が出来なくなる状況から抜け出させるのが先と言う事になります。
柔軟性のある考えを持ちやすい。
ここまで他人に流される人の特徴を述べてきましたが、良い点もまた存在しているのです。
それは、柔軟性のある考えをしやすいという点です。
自信も余りに度が過ぎれば、頑固に行きつきます。
自分が正しいという大前提を絶対に崩せない訳です。
こうなった時に、第三者の意見や考え方を取り入れる事が難しくなります。
一方他人に流されやすい傾向のある人物は、幅広く色々な意見を簡単に吸収できます。
他人の意見をシャットアウトするような事はしないのです。
そうなるとどうなるか?
事の変化にちゃんとした対応をする事が出来るようになります。
部下、仕事で最前線で働く人、同業他社、異業種、同僚、アナリスト、自分の妻、夫…様々な人から何か助言を貰えた際にちゃんと受け入れられるという事なのです。
勿論、流されすぎて何も判断が出来ないのはNGです。
ですが、他人の意見を取り入れつつ決断を下す力が身に付いたなら、他人に流されるだけの人から、柔軟性のある人物、へと化ける可能性は大いにあると僕は考えます。
まとめ
ここまでの話を纏めます。
他人に流される人物の特徴は、
- 自信が無いからブランドものをよく買い漁る
- その業界に対する知識・経験不足が他人に流される傾向を生み出す。
- 自分の力は貧弱で、どんな物事も”外部要因に流される他ない”と信じている。
- 他人に失敗の責任を押し付けてしまう。
- 自信を持たせることが比較的困難。
- 柔軟性のある考えを持ちやすい。
と、述べさせていただきました。
他人に流されると、自分に自信が無い事は、表裏一体だとも表現できますね。