「時間が無い」「忙しい」こういった言葉を口癖にしてしまっている人がいます。

電話先に、同僚との何気ない会話の中に、仕事中に…

兎に角、色々なタイミングで、この言葉を見かけます。

 

一体どういう心理からそういう言葉が出て来るのか?

1つずつ解説していきます。

 

時間が無いという口癖を持つ人の心理とは?

まず「時間が無い」「忙しい」という言葉を使う人の心理からです。

 

“良く見られたい”と考えている

時間が無いという人は、自分を良く見てほしいと考えています。

 

「時間が無い」という事は忙しいという事です。

「忙しい」という事は時間が無いという事です。

 

どちらにせよこの言葉には、「自分は頑張っている」「自分は今精いっぱい活動している」というニュアンスを含んでいます。

これは自分の評価を得る為の言葉と言えるでしょう。

 

何でもない普段の会話からポロっとこの言葉が出たなら、“自己承認欲求”の高さを表しているとも言えますね。l

 

厄介ごとを遠まわしに避けている「面倒くさがり屋」

時間が無い・忙しいは、厄介ごとを避ける口実にも使われます。

 

例えば部屋の掃除や、後回しに出来るたぐいの仕事等で、この言葉が出た時は要注意です。

簡単にいえば、

時間が無い(から後回しにしてね)

忙しい(から今はそれをやりたくない)

というニュアンスになってきます。

 

どうであれこれは先延ばしであり言い訳になってしまっています。

なので、この手の言葉を使ってくる相手には、代わりに「いつそれをするのか?」と聞くと良いでしょう。

 

先延ばしさせるのではなく、予定に含めさせるという訳です。

 

成すべき事を理解できていない

時間管理能力の無さが、この口癖を産んでいるパターンもあります。

 

普通な人間なら20分で終わる仕事を40分かけたり、非効率に仕事を奨めたりすれば、予定時間までに仕事が終わる訳が無いのです。

ある意味、口癖と本人の現状が一致している状態だといえますね。

何をすべきで、何を省いても問題ないのか良く理解できていない。

 

こういう人には、効率的な仕事のやり方やテクニックを理解してもらう事が大事になりますね。

 

時間管理が出来ていない

時間管理能力が著しく悪ければ、当然の事ながら仕事の効率は低下してしまいます。

 

いつまでにこの仕事、次にいつまでにあの仕事…と、色々な仕事をこなすことを考えると、効率化を考えねばならなくなります。

こういう時に、効率的に考えない人はどのタイミングで何をすべきなのか解らず、混乱してしまいます。

 

会議・書類整理・帳簿のチェックという仕事を持ったとしましょう。

時間管理能力がある人ならば、「会議時間は変更できないから、書類整理と帳簿のチェックを他の時間に入れよう」「会議時間までの隙間時間で、帳簿のチェック作業を少しでも進めよう」と言った感じに、時間の調整を行います。

一方調整が出来ない人になると、「会議時間のせいで帳簿の仕事が終わらない…」「会議が終わっては良いが、さてどこまで仕事を進めたのだろうか?」

と、時間の調整が効いていないという状態に陥ります。

 

“時間が無い”が口癖の人は”自分から忙しくしている”

時間が無いという言葉は不思議です。

なんと自分から、忙しくしてしまう側面も持っているからです。

 

さて、忙しくなる・時間が無くなる不思議な法則をご存知でしょうか?

パーキンソンの法則と呼ばれる法則です。くわしく見ていきましょう。

“パーキンソンの法則”が忙しさの原因だった!?

パーキンソンの法則というものがあります。

 

元は官僚制度内部で起こる法則を説明したものですが、組織から個人まで色んな所で使いまわす事が出来る普遍性を感じさせてくれます。

内容は以下の通り。

第1法則…

仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2法則…

支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

つまり、”余裕を使い切る法則”とも言えますね。

 

さて、忙しいという人はどんな条件の元に忙しいと言っているのでしょうか?

 

具体的に見ていったときに、他の人から見れば”ムダ”が多すぎる人なのかもしれませんよね。

例えば会議の時間や、説教の時間、書類整理等など…

絶対に必要なものは抜いたらいけませんが、実は無くても問題ないものまで仕事に含んでしまってはいないでしょうか?

 

今一度その人の仕事内容を観察する事で何か発見がありそうですね。

 

 

本当に忙しすぎる人はそもそも忙しいなんて言っている暇すらなくなる

本当に時間が足りない状況の人は忙しいなんて言葉も出す余裕がなくなります。

 

筆者も、数年前の仕事にて、6人必要な仕事なのに、2人しか人がいないという状況になった事があります。

客商売なので当然お客さんの時間にこちらが合わせていくスタイルで仕事をこなしていきます。

今日までに終わらせねばならない雑務と、お客さんへの対応に追われて顧客対応が追い付かなくなりますが、結局その時は辛うじて店舗運営を完遂できました。

 

この日は無駄のない精錬された1日になりました。

例えば、

  • 会計処理を完全に後回しにして後から一括で処理する。
  • 食べる時間に平行して帳簿管理を進める。
  • 電話対応をしながら書類整理を進める。

といった普段しないような作業への工夫を入れて対応したのを今でも覚えています。

 

忙しかった事は間違いありません。ですが、全力でこなせばより精錬された方法がはじき出され、結局、無茶もなんとか通せる事が理解できました。

また、あの日のおかげで、「無茶な状況になると無駄が削げ落ちる」と言う事が解りました。

 

僕のやった事を真似せよとは言いません。

ですが、せめてもの何処かに工夫を入れて、時間短縮できないか考えてみると良いです。

 

・・・実際に、凄まじい忙しさに巻き込まれて見るのも手ですね。

 

忙しくなるまじないを自分にかけている

言葉の力は偉大です。

言った言葉がネガティブかポジティブかで、その人の心に大きな影響を及ぼします。

 

さて、

“忙しい・時間が無い。”

 

この言葉を取って考えてみますと、いい影響がある言葉ではない事が解ります。

余裕の無さがこの言葉に含まれているからです。

きっと、この言葉を述べている人は忙しそうにしている事でしょう。

 

そういう自分を演じているのかも知れません。

本当はそんな忙しさアピールをしたくてしている人は居ないです。

認められたい、何かから逃れたい…こうった心理状態からこの言葉が出る事もあります。

 

忙しい・時間が無いを連呼する人はある視点から見た時、心の歪みが原因とも表現できてくるわけです。

 

本当に優秀な人は「時間が無い」とは言わない。

優秀な人なら、「忙しい・時間が無い」なんて言いません。

 

もし、忙しい・時間が無いと言えば、相手は少なからず嫌な思いをします。

「この人に仕事頼もうと思ったけど辞めた」

「道を聞こうと思ったのだけれどこの人忙しそうだし…」

こんな感じに、相手を弾いてしまう力も含まれています。

 

これでは機会を逃してしまいます。

時間が無い・忙しいを連呼すればするほどに自分に来るであろうチャンスを逃すことになります。

なら、効率化を図ったり、本当に価値がある作業かどうか?を見直して無駄を省くといいです。

 

忙しそうにしないと申し訳ない、と考えるよりも、颯爽とスマートに仕事している人の方がかっこいいです。

時間が無いと叫ぶ人よりも、テキパキスマートに仕事をこなす人の方がより良いです。

 

まとめ

時間が無い・忙しいを連呼する人の心理は、

  • 自己承認欲求の高さ
  • 厄介ごとの回避
  • 時間管理の下手さ
  • やるべき事、なすべき事の管理能力の無さ

ですね。

 

時間が無い・忙しいを連呼する事で周辺に、不安感、話しかけにくさを、振りまく事になります。

折角なら余裕を持った発言・言動をした方が良いですよね。