「第一印象はとても大事である」と言う話は、生きていると必ずどこかで聞かされます。

そして、そんな話を聞かされてしまうと、「自分の第一印象はもしかして問題があるのではないか?」と不安になって来ると思います。

 

それに対しては、

第一印象は確かに大事である。

ですが、

第一印象は一時的な効果しかないからそこまで重きを置く必要はない。

と考えています。

 

どういう事なのか、見ていきましょう。

 

初頭効果

初頭効果とは、最初に見た・聞いた情報の影響を強く受けてしまう、という心理学的な効果の事を差しています。

 

始めて会った瞬間、噂を耳にした瞬間に、どんな情報を聞き入れたのか?によって評価が大きく変わるという事なのです。

 

例えば、初対面が遅刻し怒られる姿だったとするなら、「時間にルーズな人だ」と感じられるかもしれませんし、初対面でくちゃくちゃと咀嚼音をまき散らしつつ食事をとっていたなら「マナーや品性が無い人」だと感じられるかもしれませんよね。

逆に、始めて出会った時”いきいき”としているなら、「元気な人」と思われますし、楽しく会話出来たりすれば「気が合う人」だと感じて貰えたりもします。

 

まとめると初頭効果とは、第一印象が大事と言う事になります。

 

新近効果

親近効果とは、一番最後に見聞きした情報が記憶に残るという効果の事を差しています。

 

最後に気持ちよく挨拶して別れたとか、最後にプレゼントをもらったとか、そういう別れ際の部分での記憶が残るという事です。

 

上記の初頭効果とは対をなす効果だと言えますね。

 

終わり良ければ全て良し、と言うことわざに通じるものを感じさせます。

 

 

メラビアン効果

メラビアン効果とは、メッセージの受けてが言葉の内容よりも身体メッセージや声の調子を大事にするという事です。

 

ただこのメラビアン効果は、メッセージの受け手がどちらともつかない情報を受け取った時に身体言語や声のトーン等を強く参考にすると言う前提で動いていますから、好意・悪意の判断がいらない会話、例えば事実を伝えると言った事であればあまりこの効果の出番はありません。

 

それでも、態度も大事にするに越した事はないですね。

 

 

ハロー効果

ハロー効果とは、その人に付随するイメージが良い物であると、関係ない部分まで評価が上がってしまう事を差しています。

 

東京大学卒、博士号を所持、有名大手銀行勤務、と聞くだけで「ならマナーもあるのでは?」「年収が高そう」「多才な才能を持ってそう」と感じてしまう物です。

 

本来、出身大学や所持している称号・地位等と年収・マナー・才能等は別物ですが、このハロー効果の影響で勝手に評価を盛られてしまうのです。

 

ちなみにこのハロー効果は悪い方へも働きます。

最初の印象が悪い物であると、他の部分まで悪いのではないか?と悪い方へと評価が引きずられてしまうのです。

 

このハロー効果に付属する考え方として、

ロス効果、ゲイン効果と言う物があります。

ロス効果…ハロー効果による好印象を覆す特徴を見た時、通常より評価が落ちる事。

ゲイン効果…ハロー効果による悪印象を覆す特徴を見た時、通常より評価が上がる事。

 

最初の評価は、いい意味でも悪い意味でも盛られてしまうという事が解りますね。

 

プライミング効果

プライミング効果とは、事前の情報が後からの学習に響く事を示した効果です。

 

このプライミング効果を具体的に解説します。

 

例えば、連想ゲーム。

ピザと10回言わせ最後にヒジを指さして、ひざと答えさせるものや、ダンスと10回言わせ、押し入れを指さしてタンスと答えさせたりするクイズがあります。

あれは、事前学習(10回言わせること)によって後に出る言葉や回答やイメージがそれに引っ張られることを差していますよね。

 

人間関係もそれと同じで、事前に「あの人は平気で人をだますよ」と言われれば、その後の言動行動が、人をだます為の物では?と曲解されます。

事前に、「あの人は態度は怖いけど中身はいい人だよ」と言われると、強気な態度や行動を見ても、実は深遠な部分では人に良くしようと考えている。と解釈されたりするのです。

 

最終的には、中身勝負の話になって来る。

ここまで第一印象にまつわる心理を色々とご紹介してきました。

 

最初に出会ったときの心理が大事である事や、最後の印象が大事である事。

最初のイメージと最後のイメージが大事になってきている事等色々な法則をお伝えしてきましたが、長いお付き合いを考えるのならばこれらの効果にあまり意味は無いと考えています。

 

最初こそは、見た目勝負な面が強いですが、最終的には中身部分で評価が下ります。そして似た感性の人が近くに居るはずです。

貴方の長続きしている友人を見て下さい。きっと似た感性の似た考えの人で埋め尽くされていると思います。

 

長い目で見れば、最初の印象が悪くても実際そこまで問題ないと言う事です。

 

まとめ

まとめますと、第一印象は次のような物と関連性があります。

初頭効果…最初が肝心

新近効果…最後も肝心

ハロー効果…最初の印象で良い方にも悪い方にも評価を”盛られる”

メラビアン効果…態度の影響は言葉と同様に大きい

プライミング効果…事前の予備知識も大きな影響を及ぼす

ですね。

 

しかし、長い目で見れば中身部分の方が大事だともお伝えさせていただきました。

人生は長いです。人から人へと素早く移り変わる生き方で生き続けられる人は居ないでしょう。

最初こそは、初頭効果や親近効果等を用いて人間関係を構築してもよいですが、最終的には中身部分の研鑽にも力を入れていくといいです。