ゆとり世代と聞くと、何かと悪いイメージを持たれる方が多いと思います。
自主性が無いだの、社会人として必要な素養が備わっていないだのと、特別に悪い世代のような言われようをされているように感じますね。
今回は、そのゆとり世代の長所や短所を紹介していこうかと思います。
そもそもゆとり世代とは何なのか?
ゆとり世代と言っても、明確な定義は特に存在していません。
これは、学習指導要領がゆとり世代を育成する為のものになった時であったり、世間一般で言う所の「ゆとり世代」と言われるような特性を持ち、その世代の人を差していたり、と、明確な線引きがされていないのが現状なのです。
一応、ゆとり教育を受けた世代について、「ゆとり教育を受けた世代・年代」で考える場合に、このように言われています。
いわゆるゆとり教育で学校教育を受けた世代は1987年4月2日から2004年4月1日生まれである
引用元:wikipedia
1987年から、2004年までに生まれた約17年間、2016年現在で12歳から29歳までの人が、ゆとり教育を受けた世代と言えますね。
ゆとり世代の長所と短所。
ではここから、ゆとり世代に生まれた人の長所や短所を紹介していこうかと思います。
ゆとり世代の長所とは?
スキルアップに関しては敏感。
ゆとり世代は、スキルアップないし、自分の能力を底上げする事に関して敏感です。
例えば英会話や簿記など、自分技能の向上にかかわる様々な資格を取得する為に色んな行動を取ろうとするわけです。
根底には、心配や不安感があるのでしょう。
丁度ゆとり世代が育ったのは、バブルがはじけた後の財政的にも行動的にも皆が委縮してしまっている時代でした。
なので、いつ自分の仕事が潰れるのか、いつ自分の稼ぎ口が無くなるのかと、内心不安なんだと思います。
だからこその不安に根付いたスキルアップをしている訳です。
動機がどうであれ、自分の能力を上げようとする行動自体は素晴らしい事だと言えます。
その人の今後の人生が安定させられるような技能や、知識は、積極的に吸収してくれると言い換えられますから、何かを学ばせる時にはそれを学んだ時のメリットをちゃんと説明してあげるといいですね。
合理主義者。
いわゆる高級品やギラギラしたもの等に興味が向かない傾向があります。
理由は簡単で、合理主義的な思考が強いからです。
費用対効果を考えて生活をしようという考えが強いという事ですね。
ベンツより軽自動車。何故なら運べるものは同じだから。
高級な天然水より、市販の2L100円の水。何故ならどちらも明らかな差が感じられないから。
リゾートホテルで豪遊するより、貯金。何故なら旅行は形に何も残らないから。
といった感じですね。
これも、やはり生まれ育った時代が原因でありそうです。
バブルがはじけ、質素に安定して生活をしようとする家庭が多くあったはずですので、高級品を身に着けるというよりも、安くて質の良いものを求める考え方が強く根付いたんだと思います。
生まれ育った環境というのは、その人間に強い影響を与える事が解りますね。
この合理主義的考えから出る行動が、しばしば、物欲の少なさとして現れるのもゆとり世代の特徴ですね。
安定志向
安定した生活を望む傾向にあります。
不安定要素未確定要素を嫌い、なるべく戦いの無い所でのほほんと生活できるだけの金額を稼げればそれでいい、と言った感じの考えを持ちやすいのです。
挑戦する精神は、ゆとり世代にとって好かれないとも言い換えられそうですね。
安定志向になってしまう理由は、生まれてから今まで不況状態で生活し、不安が煽られ続けた事が原因だと思います。
現状、安定した生活、安定する職場かどうか、親はとても重要視していますよね。
なので戦う・攻める生き方を親や環境から学べていないのです。
これらの長所は、バブルがはじけた時代に生まれ方からこそ身についた謙虚さや、倹約精神が元になっているんだと感じますね。
ゆとり世代の短所とは?
自主性が無い
ゆとり世代は自主性に欠く部分があります。
自分で考えて答えを出すというよりも、用意された答えがある前提で育ったゆとり世代にとって自主性は希薄になりがちです。
今のゆとり世代というのは、就職の時も、何か趣味を持った時も、ゲームをする時も、自分の感覚でやるよりもまずネットで調べてから進める人が多くなっているとも聞いています。
自分で考えなくていい世代だからこそ能動的に考える事をしなくなり、あまり考えなくても誰かがやり方を纏めてくれている以上、自主性は必要とされなかったのではないでしょうか。
マニュアル至上主義。
ゆとり世代は、マニュアル至上主義的な傾向がありますね。
「自分で考えろ」と言われると本当に身動きが取れなくなる傾向にあるゆとり世代なのですが、こうなる要因の1つは、やはりインターネットの普及や教育制度の在り方にありそうです。
探せば、求めれば、自分が考える前に答えが提供される環境に今の若者は生きています。
ネット環境の整備は手軽に簡単に答えを提供してくれましたが、代わりに自分で考える力を削いでしまっています。
行動をするにしても、正解が記されたマニュアルが存在している事が前提になっています。
そられの要因が、「ゆとり世代は自分で考える力が無い。」と言われる原因にもなっています。
良く言えば、答えを探し出す努力は出来るとも言い換える事が出来そうです。
ゆとり世代のいい点の1つはネット検索技術の卓越性ですから。
プライベートを優先する。
ゆとり世代は、プライベートに重きを置いた行動をしばしばとり、その結果会社組織で白い目で見られる事もあります。
そうなる理由は、会社というものを自分の骨身を埋める場所としている世代と違って、不定形なもの。いつなくなるか解らないもの。自分とは希薄な関係。と言う感覚を、持っている人が多いと、思います。
だからこそ、会社組織に居る時の様々な動作が適当な感覚になりやすく、更に言えば例えば飲み会を断ったりする訳です。
また教育の時も、集団行動重視から、個性重視になっている事も一因だと言えそうです。
打たれ弱い。
ようするにゆとり世代と言うのは、怒られ慣れていないのです。
怒られ慣れていないのですから、当然の事ながら怒られたら委縮しますし、対処に困ります。
モンスターペアレンツの存在、学校教育での体罰の問題化、などなど、”きつい灸を据える”事はもうすっかりみられなくなりました。
これが元になり、打たれ弱くなってしまっているのではないでしょうか?
競争心が希薄
ゆとり世代は、基本的に競争をしようとは考えません。
理由は、ゆとり教育のシステムにありそうですね。
相対評価から絶対評価に変わり、競争をさせる路線から、個性を大事にする路線で学校教育がなされ始めていました。
こうなると、競争をする考え方やライバルを打ち負かす考え方を持たなくなりますね。
そんな状況のゆとり世代の若者に、「あいつはこんな成績を上げている。」「悔しいとは思わないのか?」という言葉は、効果的ではありません。
彼らの興味はどちらかと言えば、自分の個性の認められることであり、自分の周辺への貢献に近いのです。
競争を使うのは効果的ではありません。
自分の意見が無い。
誰かが答えを用意してくれる前提で動くこの世代は、自分の意見を持つことが余りありません。
答えはどこかに存在してしかるべきだからです。
別の言い方をすると、「自分では考えない。」ないし「答えは誰かから与えられるもの思考」と言えます。
「ネットでこう書いてあった」とか、「○○さんの指示に、○○せよという指示は、入っていなかった」という風に、頭を使う答えが出てこない傾向にあるという事です。
誰かに答えを提供してもらう事が大前提である以上、自分で考える必要はないという考え方が根底にありそうです。
ゆとり世代の悪い点をまとめると、
何でも与えられた世代だからこそ、競争・戦いを禁忌したからこそそれが悪い面として出たと言えそうですね。
まとめ
ゆとり世代の長所と短所を纏めますと、
良い点は、
スキルアップに関しては敏感。
合理主義者。
安定志向
悪い点は、
自主性が無い
マニュアル至上主義。
プライベートを優先する。
打たれ弱い。
競争心が希薄
自分の意見が無い。
と言う事が出来ますね。
今までの世代とは一線を画す特異な世代といえそうですね。
だからこそその特性をちゃんと理解して、ゆとり世代に合わせた教育をして上げる事も教育方法として重大・重要になるのではないか?と、言えます。